2019年06月28日

「 朝の散歩 2019_0628 」



ー 呪文の音 ー

シトシトと降る 雨

雨樋を伝った水が 溜まりに落ち

奇妙な音階を 奏でるように

呪文を 唱え始める

区切られた空間のあちこちで それは起こり

時空が歪む

狭い路地の隙間に見え隠れする 子供達

おとぎ話と現実が 交差していた時代に たたずむ

「あっ!」

目の前を もののけが 通った






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ー金沢市 東茶屋街(AM.7:09)ー
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2019年06月26日

「 朝の散歩 2019_0626 」





視線も 心も 奪われる

美しいものには 引力がある

その姿に 見惚れ

もっと近づきたいと 思う

触れようとする その瞬間

可憐な姿は 触れられることを 拒絶する




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ー金沢市 尾山町(AM.7:18)ー
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2019年06月25日

「 朝の散歩 2019_0625 」






ー 道しるべ ー


トビは 思った

人間は 決められた道しか歩けないのか?

自由に 空を飛べる我が身を 誇らしく思った

羽を広げて 無限の空を飛べる

人に生まれなくて 良かったと思った

ある日 無限に広がる青空を眺めていたトビは 急に心細くなった

目の前に広がる 吸い込まれそうな空が 恐ろしくなった

自分は 何処へ行けば良いのか

道しるべも それを教えてくれる者も 何も無い

自由の恐ろしさを 知った



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ー金沢市 田井町ー(AM.7:27)ー



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2019年06月24日

「 撫でること 」








犬の話です。






愛犬のJOYには、困った癖があります。

家族の顔を舐めたがる癖。
とにかく舐めだしたらしつこいのです。

長い時には、数分間ずっと舐められっぱなしになります。
お陰で顔中唾液でベチョベチョ、口を開けているとベロを入れてこようとするので、閉じていなくてはなりません。
だから鼻の辺りを舐められた時には呼吸ができなくなって苦しくなります。

なぜ犬は人の顔を舐めるのか?
ネットでいろいろ調べて見ましたが、決定的な答えは見つかりませんでした。

お腹が空いていると言う考え方もあるし、愛情表現だと言う考え方もあります。
彼は話す事ができませんから、何らかのメッセージが込められている事は確かなのです。

でも良く考えると、自分も彼を膝の上に置いてるいる時は、無意識に彼の身体を撫でているのです。
それが彼にとって心地良いのかウザいのかは解りませんが、一応おとなしくはしています。

撫でることは、彼の為と思ってやっているのではありません。
自分が癒されたいから、その温かくて柔らかいお腹や太ももを撫でているのだと思います。

舐めることと撫でること。

文字から言っても一文字違いです。
お互いに癒されたいと言う気持ちと、癒してあげたいと言う気持ちが重なり合っているんでしょうね。

舐められることも撫でられることも、それを我慢することも、相手への愛情だと言うことです。


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2019年06月21日

「 朝の散歩 2019_0621 」






モコモコ フワフワ

モフモフ プックリ

フカフカ マッタリ

何かが うごめく

心も うごめく





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ー金沢市 石引4丁目(AM.7:26)ー

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2019年06月19日

「 朝の散歩 2019_0619 」






ー人影ー


古い商店街に 一つの人影があった

それは懐かしそうにその昔なながらの佇まいを じっと見上げる

通りには ほとんど行き交う人はなく

その陰にも 気付かない 

その三軒向こうの軒先で 猫がアクビをする

昔アーケードだったこの商店街は 今ではそれが 取り去られ

暑い夏の日には 太陽が降り注ぐ

ふわっ

動かなかったその人影は 揺れるように消えた

その傍らのコンクリートの割れ目には ツユクサが咲いている

じっと その商店を見上げながら




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ー金沢市 安江町(AM.7:24)ー
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2019年06月18日

「 朝の散歩 2019_0618 」





ー光の種ー


光の種が 撒かれる

街中に広がる その種は

人々のテッペンから ヒョロヒョロと 芽を出す

「野望」の芽を 出す人

「使命感」の芽を 出す人 

「決意」の芽を 出す人

「信念」の芽を 出す人

真っ直ぐに 伸びる芽は少ないけれど

光に向かって 曲りくねりながら 伸び続ける 

今日一日の 夢にならないよう

心の肥やしを 絶やさないよう



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ー金沢市 香林坊(AM.7:28)ー
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2019年06月17日

「 大発生 」







天敵がいないから






今年の浅野川は、とっても騒がしいのです。

春頃からなんですが、夜になるとカエルの大合唱が始まり、睡眠を邪魔します。
61年間この地に住んでいて、初めての経験かも知れません。

とにかくその数が多くて、騒音レベル。
そう言えば、散歩をしててオタマジャクシが大量に発生してるのを見てました。

何でこんなことになったのか?

近所のおばさんと話してなるほどと思ったんですが、最近近くにある「梅の橋」の補強工事をやってたんですね。
それで、今まで生息してたシラサギやアオサギなんかがこの近辺に来なくなった。
彼らが来なくなると、オタマジャクシやカエルを捕食する動物がいなくなる。
そうなるとカエルの大発生に繋がる。

改めて思うのは、自然は繋がっているってこと。

何かが居なくなれば、そのバランスが崩れる。
人間だけが、特別だと思ってはいけないのです。
地球に住んでる、一生物にしか過ぎないんですから。

自然の摂理に反したことをすれば、必ず自然に報復される。
自然にない物を自然に捨てれば、いずれは人間にも返って来る。

ところで、2日ほど前から大雨になってます。
幸いこの地域に災害はなかったようですが、この大量の雨でカエルもオタマジャクシも流れてしまえば助かるのですが・・・。

あっ、その考えは問題が自分の目を通り過ぎれば、どうでもいいってことに繋がるか。

天敵がいない人間は、無茶をすれば自然から報復される。
近年の大雨や異常気象も自然からの天罰。


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2019年06月14日

「 朝の散歩 2019_0614 」





ー天国への階段ー


天国への階段は 現れては 消える

人がたどり着いた その先に

現れては 消える

盗まれたのだと 通り過ぎる人

本物を確信して 待つ人

雲の向こうに 赤いZEPPELIN型の飛行船が ゆく

天国への階段を 探して




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ー金沢市 彦三(AM.7:18)ー
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2019年06月12日

「 朝の散歩 2019_0612 」



ー川の主ー


そっと川底に潜む 誰にも気付かれないように

岩に囲まれたその空間は 誰にも渡さない

遥か彼方 水面を小魚が泳ぎ 

どこから流れてきたのか 落ち葉がゆく

光の万華鏡を 上に見ながら

いつの間にか 瞼(まぶた)が落ちる

目が覚めると 光はまだそこにあった

大きなあくびの泡が いくつも揺れながら水面に向かい

光の中で 消える

小魚達が ハシャギながら 目の前を通り過ぎた



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ー金沢市 浅野川(AM.7:09)ー
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2019年06月11日

「 朝の散歩 2019_0611 」



ー迷路ー


迷路に迷い込んだ 光達は

出口を 探した

繋がってゆくしかない 彼らは

まるで 蛇のように見えた

小さな隙間を見つけた 一粒の小さな光は そこに止まった

流れるように去ってゆく 他の仲間を尻目に

小さな手で その小さな隙間を広げ 闇の中に 入って行く

進んでも 進んでも 闇しかない道

どれだけの時が 経っただろう

突然目の前に 宇宙が広がり その遠くには 迷い 走り回る仲間が見える

一粒の光は しばらく その迷う仲間を 眺めていた





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ー金沢市 香林坊(AM.7:23)ー



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2019年06月10日

「 精一杯 」





自分の子供達だけではないと思うのですが・・・。





自分達か若かった頃の話。
仕事帰りに真っ直ぐ帰宅する事はほとんど無かった。

仕事場が歩いて通える距離だったって事もあるんですけどね。
必ずと言っていいほど、行きつけの店に寄って帰ったものです。
自分としてはそれを反省しているので、決して勧めている訳ではありません。

時代はバブル期、昼は喫茶店、夜はスナックのその店は、カウンターが8席のみの小さな店でした。ボトルをキープしていて、それを飲む分にはお金を払う必要はない。最初のボトル代5,000円さえ払えば、その後はいつ行こうが余分にお金を払う必要はないんです。
ツマミも一律400円だから、何か欲しければそれを頼んだ分だけ払えばいい。
マスターも楽しい人で、顔なじみの客達でテニスをやったり、キャンプをやったり、ディスコへ行ったり。
まるでサークルのようでした。

今から思えば、その時代のお金と時間を絵を描くことに使っていたらと思うのですが、頭の中身が幼かったんでしょうね。何をどう努力すれば良いのかさえ分からなかったんだと思います。

バブルの時代ってのは、遊んでいても何とかなると思わせた時代。
何も考えなくても生きていけると思っていた時代。

現代を生きる若者達は大変です。
夢を持つことも難しいし、一般庶民は生きて行くのが精一杯の時代。

政治家は老後に夫婦で2,000万円必要だと平気で言います。ちょっと前には100年安心の年金制度などと言っていたのに。

自分の子供達を見ていて思うのです。
皆んな真面目だと。

いや、親バカとかではなく、今の時代がそうせざるを得なくさせているのです。


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2019年06月07日

「 朝の散歩 2019_0607 」





ー雨宿りー


「軒先を お借りします」
 旅人は 言った

跳ね上げる雨は 旅人の足元を濡らす

「どうぞ どうぞ いいお湿りですね」
 主人は 言った
「どちらまで?」

「・・・・。」
「はい 貴方の人生の その終わりの日まで」
 旅人は応えた

「そうですか 長い旅ですか? 短い旅ですか?」
「辛い旅ですか 楽しい旅ですか?」
 主人は尋ねた

「どうでしょう? 貴方の空の見方次第でしょうか」
 旅人は応えた

ふと空を見上げると 雨は上がっていた

「帰り道 また雨が降っていたら 雨宿りさせてもらいます」
 旅人は 歩き始めた


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ー金沢市 東山1丁目(AM.7:12)ー
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2019年06月05日

「 朝の散歩 2019_0605 」






一瞬が 流れてゆく

今が 流れてゆく

時間の流れは 容赦なく

目の前を 通り過ぎてゆく

その流れは 皆平等に




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ー金沢市 長町(AM.7:27)ー
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2019年06月04日

「 朝の散歩 2019_0604 」






影は 突然現れない

それが 生まれてから 逝くまでは

傍らに 寄り添う

日向があるから 影があり

影があるから 日向がある

日向から 勇気をもらい

影から 人生を教わる

対になって 一つの人生




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ー金沢 丸の内(AM.7:27)ー



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2019年06月03日

「 思考能力 」






世の中、必要のない「便利さ」もある





週3回の「朝の散歩」の写真と詩。
それと、毎週月曜のこの記事は、我ながら良く続いていると思います。

見て下さる方々がいらっしゃると言うのが、何よりの励みになるのですが、これだけ続いている理由の一つは、自分の為。

世の中どんどん便利になって、人間がやる事がどんどん減って行きます。自ら思考する事も、身体を動かす事も減って行きます。

今まで当たり前だった生活や人間の能力が、何十年か後には、一部の職人だけの能力になってしまうのではないか?そんな危機感さえ感じます。

思考する能力は、人間とごく一部の動物だけに与えられたもの。
愛犬のJOYも、芸を覚えることはできますが、思考することはできません。
目の前の出来事に、その場その場で反応しているだけ。

「便利」は、人間から体力と思考する能力を奪っていきます。

普通に生きていても加齢で、ただでさえこれらの能力が落ちていくのですから、世の中便利になればなるほど、若い頃よりもそれを維持しようとすることが大切だと思うのです。

普通に生活している分には、文章なんてそんなに書きません。
増してや、詩なんて書きません。
絵を描くのも、極一部の人達。

文章を書くことも、絵を描くことも「思考」することに繋がります。

せっかく与えられた生物としての能力を失うのは、もったいないのです。


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