ようやく楽しくなってきた。
中学生の頃は油絵を習っていました。
その頃は、どんな作風が好きと言う訳でもなく、唯々絵を描くのが楽しかった。
その後成長して、いろいろな展覧会を見るにつけ、日本画のテクスチャーが好きになっていきました。
それに使われている岩絵具や胡粉のザラザラ感がです。
高校に入ってデザインの勉強をすることになり、ポスター制作や広告に興味が湧いてきた。
デザインってのは、人のためにする物なのですが、この頃は結局は自己表現の手段としてしか考えていなかった。
現在は仕事として、デザインもやってはいますが、結局のところやはり自己表現がしたい欲求の方が強いのです。
前にもお知らせした通り、来年1月の個展の為の作品作りをしています。
デザイナーやイラストレーターとしての頭の中をアート仕様に切り替えるのはなかなか面倒なのです。
今年は暇だと思っていたのですが、意外にも忙しい。
まだまだその忙しさは続くのですが、ようやく作品にも少しづづ時間が裂けるようになってきました。
デジタルではなく、生の絵ってのはその作家の制作過程を感じることができます。
それを意識して隠すような絵もあるのですが、自分としてはその筆跡が残ったり、苦労の跡が感じることのできる作品が好きなのです。
現在描いている作品達も正解はありません。
どこで終了すれば良いのかもわかりません。
一度描いた筆跡や混色が気に入らなければ、何回も塗ったり削ったりを繰り返します。
しかし、その過程が絵に深みを与えたり、偶然驚く様な効果を与えたりする。
だから面白いのです。
自分の絵は、ベニヤパネルにツルツルの下地を作って、その上に思いのままに絵具を塗りたくることから始まります。
これらは子供の頃から習ってきた油絵や影響を受けた日本画を合わせた物のように感じます。
自分の経験した人生がそのまま作品になるって言ったら大げさかもしれませんが、結局人は経験した事や見た物を自分のフィルターを通して、表現するしかないのです。
ようやく作品作りが面白くなってきました。
*title : 遠い記憶

