何百年後かには、現代のポスターも・・。
先日新聞でこんな記事を見つけました。
「市観光ポスター国交大臣賞受賞」
金沢市の観光ポスターが日本観光振興協会の観光ポスターコンクールで、最優秀賞を受賞したとのこと。
金沢市のポスターが大臣賞を受賞したのは初めてとも書いてありました。
個人的な好みは別として、これはメデタイ話です。
しかし、しかしですよ。
その記事には制作者の会社もデザイナーの名前も何一つ紹介されてないんです。
発表しないから、記事にならないのだと思います。
20年以上も前になるでしょうか?
その頃にも同じ様なことが気になって、県のデザイン協会に手紙を送った事があります。
一年間に石川県で制作されたグラフィックや工業デザインの中から幾つかの賞を決めて、表彰し展示するってことをやってた。
その賞は今も続いているのですが、当時展示されてる作品の横にはクライアントさんやスポンサーの名前しか表記してなかったんです。
デザイン展なのに、肝心のそれを作ったデザイナーやその会社は表彰されてないってことになります。
もっと言えば、例えばグラフィックデザインで一つの物を作るのにはデザイナーの他に、カメラマンやイラストレーターやコピーライターも係っているケースもあります。
しかも、その当時の賞の名前が「○○新聞社長賞」とか「石川県知事賞」とか、何に対して受賞したのか分からない名目で。
そんなことに疑問を感じて、お願いの手紙を送らせてもらったんです。
そんな一個人の手紙だけのお陰とは思っていませんが、偶然なのかどうか、次の年からはデザイナーも表彰されるようになったと記憶してます。
以前にも書きましたが、伝統工芸や職人には温かいのに、デザイナーには冷たい県だと感じるのです。
同じ「ものづくり」をやってるんですけどねぇ。


(うふふ。以前も同じようなこと書いた気もするけど...。)
でも 毎回、市村くんの文章はとってもThought Provokingです。
考えさせられるというか、『うん。そうそう!』という共感だけじゃなくって、
『そうだよね...。』と それについて読み終わった後に
深く考えさせられます。
今回は最後の3行が 何度も何度も心の中に繰り返されました。
(アハハ。プレッシャーかけたつもりはないから、気楽に次回は書いてくださいね。)
ブログを書き続ける、原動力になります。
頭の中にいつも「?マーク」を置くことがクリエイティブの基本だと思ってるんで、自分自身の頭の整理でもあるんです。
また帰国した時は会いたいですね。
お知らせ下さい。
受賞作「金沢点描」の制作者は、博報堂と美大の学生と書いてありました。たしかに制作代理店の名前を書くのに、制作デザイナー個人の名前をこの県の新聞は、どうしても書きません。
但し、東京の有名デザイナーを使った場合は、書きます。と云う事は、地元の無名デザイナーに価値を見てないと云う事になります。
昔からほとんどの地元デザイナーは、この事に目をつぶって来ました。私もこの問題に努力して来ましたが老兵になった今、若い人に託さねば・・・! 若い人は、本当にどう思っているのでしょうかね?
この辺の問題は小川さんが長年に渡って苦労し問題解決に努力されてこられましたよね。
そのお陰で、少しずつデザイン業界も世間に認識されるようになって来たのだと思ってます。
そうですか、美大の学生ですか。
でもなぜプロに仕事を発注しないのかも疑問ですね。
このポスターの発想は良かったのかも知れないですが、今一仕上がりが中途半端な感じと言うか、スッキリしないと感じていたのは、学生だからだったんでしょうか。
美しくないんです。
何でもかんでも、予算を考えてアマチュアに発注するのは
どうなんでしょうね。
これで良いのかは、デザイナー自身の意識の問題でしょうね。
また、このポスターの仕上がりが中途半端な感じは、私も同感です。 が、最近のデザイン風潮がこの軽さを良しとしているのでは・・・?
素人っぽいのがモテハヤされる風潮は、努力する者が報われない悲劇です。文化の衰退かも・・・?