独りよがりではねぇ・・。
昔、カクテルに凝ったことがありました。
マニュアル本を買って来て、十数種類の洋酒を買って、いろいろ作りました。
カクテルを作る前に、元となるお酒そのものの個性を味わいたくて、それぞれストレートでも飲んだものです。
そのせいかどうか、とっても個性的で一般的には飲みづらいようなお酒でも楽しめるんです。
だからお酒って、飲みづらいくらい個性的な方が面白いって思うくらい。
当然その中にも美味しいとマズイはあるんですけどね。
ウチの子供達はもう3人共成人してるんで、一緒に酒を飲めるんですが、さすがに一番下の娘は酒を飲みなれない事もあって、我々夫婦の好みとは合いません。
前のNHKの朝ドラ「マッサン」の劇中にもあったように、ウイスキーのスモーキーフレーバー臭は娘には単に臭いとしか感じないようです。
暑い季節になると夫婦でよくハイボールを飲むのですが、お店で飲むように、いちいちレモンを切って入れるのは邪魔くさいし、むしろウイスキーそのものの味がある方が美味しいと感じるので省略してしまうのです。
興味をもった娘が「ちょっと飲まして」とカミさんのグラスに口を付けるのですが、「わっ、臭い」と言って敬遠します。
そんな中、先日気まぐれで、レモンを買って来て入れてみました。
いつもと違うことに好奇心を持ったのか、娘がカミさんのグラスに口を付けると、良い反応。
しばらくして、また口に運んだんです。
ウイスキーの臭さをレモンが消したんですね。
突拍子もない例えかもしれないのですが、アートとイラストやデザインの違いの様だと気づかされました。
個性的で理解できる人にしかその魅力が伝わりにくいのが「アート」
その個性を活かしながらも、一般に受入やすくするのが「イラストやデザイン」
闇雲に個人の価値観を力ずくで押し付けても、人によっては反って敬遠されるだけ。
そこに他の要素を加えて演出することで、分かり易かったり、美しくなったりします。
過去の自分を振り返って、そんな押し付けをしてしまったことも多々あったんだろうなぁ・・。と今になって反省。

