2015年08月31日

「想い出に変わること」






芥川賞とは関係のない話ですが。





遅ればせながら、芥川賞受賞の二作品、「火花」と「スクラップ・アンド・ビルド」を読みました。

「火花」は思わず吹き出してしまったり、後半では涙したり、感情を揺さぶってくれましたし、「スクラップ・アンド・ビルド」は、身に覚えのある、老人介護の話でしたから、共感させられるものでした。

「スクラップ・アンド・ビルド」
この小説の中の老人に比べると自分の父の場合は、自力で歩くことも食事もできず、終盤は話すことも出来なくなってしまったものですから、より大変だったのですが、何だか懐かしい想いを感じながら一日で読み終えてしまいました。

本の内容に関してはこれから読まれる方もいらっしゃるでしょうから、ここで語るのは止めておきますが、介護する側、介護される側の関係も今にして思えば、この著者の言いたかったこととして良く理解できます。
「ああ、そうだったんだな〜」って。

その父も亡くなって来月で、はや一年が経ちます。
あっと言う間の一年です。

当初は最期を迎えた病院の前を通ると、まだ父親がこの中にいるような感覚があったものですが、それもいつの間にか視界にさえ入らなくなってしまいました。

人間の脳は、悲しいことや嫌なことを忘れることで自己防衛をしているのでしょう。
でも、その忘れたいと思うことも、「想い出」という安らぐ形に変形させて、心の中に停めさせているのかも知れません。

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posted by JUNICHI ICHIMURA at 12:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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