見る目だけは付いて来てるのかも知れない。
先日聞いたラジオ番組での話。
東京大学薬学部教授で脳の研究家の池谷裕二さんがお話してました。
「能力の低い人間ほど、自分の実力を過大評価する」らしいんですね。
能力が低いが故に、自分の位置や実力を把握できていないってことです。
耳が痛い話なんだけど、確かに若い20代や30代の頃は自分も自分の実力を過大評価していたように思います。
仕事では様々なタッチやモチーフのイラストを描いて来ました。
その全てが納得して描いたものではありません。
自分の価値観とは違った絵を描いた事も多々ありました。
仕事ですから当然と言えば当然なのですが、そんな中、評価を受けたのは自分のみの力ではなく、その仕事に係ったデザイナーやコピーライターや代理店の営業の力があったこその評価でもあるのです。
若いうちはそんなことも理解せずに全て自分の実力のように考えてしまうんですね。
ところが現在はと言うと、逆に全く持って自分の作品には自信がないのです。
イコール、実力が付いたってことに繋がればいいのですが、それとこれとは別なのかな。
答えのない深い森に迷い込んでしまった。
自分にとっての「美」の価値を探すことに興味が行ってしまいました。
カッコ付け過ぎかも知れませんが、自分にとって何が「美」なのか?ってことを追求したくなって来た。
こんなことをやっても何一つ社会の為にはならないし、自己満足なだけなんですけどね。
内にこもる制作活動です。
でも、自分が自分である為には、描く必要がある。


