子供の頃に戻って。
イラストレーションを描く時は、当然使用目的やターゲットなどが決定した後でその到着地点に向かって作業が始まります。
この習慣があるので、自由に絵を描けと言われても自分の場合、まずテーマを考えなくては一歩も前へ進めませんでした。
週に一回描いているこのブログのカットも、文章があって初めてどう描こうかと頭が働き出します。
今、あるグループ展に出展しようと描いている絵は、その今までの自分のやり方から脱線して描き出しています。
勿論大まかなテーマはあるにしても、決め決めにそこに向かって進む訳ではありません。
いや、何なら完成時にタイトルが変わっても良いとさえ最近思うようになりました。
60年生きてきた自分の中から出て来るもの以外何も出ないと思うし、自分と言う枠の中で描くことが個性であり、特に狙いを決めて物を作ることが無意味に思えて来たから。
元々アートってのは自己表現な訳ですから、自分と言う枠の中で描くものは全て線一本でも個性になる。
それ以上でも、それ以下でもないのです。
その枠の中で結果西に寄ろうが、東に寄ろうが、北に行こうが、南に行こうが、自分は自分。
あとはその制作を子供のように楽しめば良い。
頭では分かっていたのですが、そんな事を身をもって感じ始めた。
仕事で縛られて、その上、趣味で描く絵まで自分で自分を縛る必要はないのです。
頭だけで考えると先に進めなくなる。
楽しいことをすれば、先に進みたくなる。



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