お盆です。
子供の頃は形式上、親の真似をして手を合わせていただけのお参りも、やはり自分の親を亡くしてしまうと、過去の思い出を振り返ったり、感謝の心が芽生えたりします。
と言っても、そもそも金沢のお盆は7月なので、実際はまとまった夏休みと言った認識の方が強いのかも知れません。
7月のお盆は、仕事が休みになる訳でもなく、だから親戚が集まる訳でもなく、のんびり出来る訳でもないので、日常の慌ただしさの中で、心の余裕もないままアッと言う間に通り過ぎて行きます。
子供の頃、8月のお盆には祖父の故郷である現在の白山市尾口村の瀬波と言う所で親戚一同が集まって泊まりがけで大宴会があったものです。
それとは別に能登の入り口の高松にある葡萄園を経営している親戚の家でも大宴会がありました。どんなスケジュールでこの二件を回っていたのかは覚えていませんが、婿養子として市村家に来た祖父には大勢の兄弟がいました。
日本人は自ら長期休暇を取る事が出来ない。
そんな習慣もないわけで、唯一正月とお盆は生まれ故郷に帰って、友人や家族と思い出に浸れる時間なのです。
生まれも育ちも現在も、この地である自分にとっては、里帰りと言うのはとても羨ましいのです。
ですが、このコロナ禍のご時世。
気軽に里帰りもできなくなり、親にも兄弟にも会えない時代。
自宅に居ながら先祖を想い手を合わせる。
そんなお盆の形式になって行くのかと、寂しさを感じます。



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